REVOX B225 2台目

今回は京都のM氏からの依頼でREVOX B225のオーバーホールです。
M氏はB225を2台とB226・B226Sをそれぞれ1台お持ちだそうで今回はその中の1台です。

初めて見るCDM-0です。鉄フレームにブラシモーターとCDM-1より少しレベルダウンかなと思っていましたが、スイングアームの動きにカチッとした剛性感と軽ささを感じました。
CDM-1よりスイングアーム部分の剛性や加工精度が良いのでしょうね。

トレイモーターの減速部分にガタが有るように見えたのでバラシて行くとトレイモーターのピニオンギアの取付け部に割れを発見です。
このままではギアが割れてしまいますので、割れが広がらない様に手当ての実施です。

過去のメンテナンスで行った押釦の修理です。メンブレSWをタクトSWに変更しています。導電性塗料が駄目になった時にはこの方法も有りですね。

長年の使用で埃や錆が出始めていますのでメッキ部はコンパウンド入りのワックスで清掃です。

ほぼ順調に作業も完了し音出しエージングです。
音はスイングアーム独特なアナログチックな音ですね。
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WADIA WADIA6 31台目

今回は京都のM氏からの依頼でWADIA6のオーバーホールと音質改善です。
発売当時に購入したそうで20年間ノントラブルだったそうですがとうとう音飛びが出始めたそうで今回入院となりました。

ノントラブルと言う事はノーメンテナンスと思うのですが、コントロール基板には既に半田増しをしている形跡があちらこちらに有ります。メンテナンス歴が無いのであればこの様な半田増しの跡はないはずなんですが・・・不思議ですね。

表示窓も接着剤に割れが入っていたので、もう一息で脱落する状態でした。

WADIAの様にアルミのヘアーラインの仕上げは新品時の見た目は良いですが年数が経つとヘアーラインに汚れが入り込み汚れを取るのがかなり難しく成ります。
できれば煙草の煙やオイルの飛沫(煙)のない所での設置が望ましいと思いますね。

今回受付分はほぼなにがしかの問題を抱えていてすんなりと作業をさせてくれないプレーヤーが殆どでしたが、今回はオーバーホール・音質改善と順調に作業も進み後はエージングです。
あまり使用されていなかったのか内部は埃や錆も無くかなり綺麗な部類にはいります。

後期のWADIA6なので素でもそこそこに聴けますが、音質改善まですると音がワンランクアップして気持ち良いですね。
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WADIA WADIA6 30台目

今回は神奈川のN氏よりの依頼でWADIA6のオーバーホールです。
昨年の初夏ころから問い合わせのメールを頂いており今回の受付で修理・オーバーホール実施と成りました。
症状としては6カ月位前からCDの読込みが出来ない事が増えてきているそうです。

読込みが出来ないのであればピックアップの劣化だろうと思いアイパターンを診ると電圧がかなり低下しており反射率の悪いCDだと音飛びする位の電圧幅だったのでピックアップを交換です。
1件落着と思った矢先にアイパターンに乱れが発生です。

初めての症状ですがリフトの上昇位置が僅かに低くCDのチャッキングが十分にならずCDが滑る状態が見られるのでリフト機構の交換です。
リフト機構交換後もアイパターンの乱れがでるので波形の乱れの原因は此処では無いようです。

波形の乱れなら最初は此処かなとRF信号処理のICを交換しましたが此処ではなさそうです。
WADIA6 11台目と同じ様な不具合だったので此処はコントロール基板を交換する方が良いと判断し手持ちのコントロール基板と交換です。
WADIA6に使っているコントロール基板もどこか問題が有る様でこれで3回めの交換です。今後の為に一度不具合原因を見つけておかないと駄目そうですね。
今回の受付分は何か難しい問題を持った物が集まった様で現時点ですんなりとオーバーホール出来たのは1台だけです。

外したコントロール基板に有った変更跡です。クロックの精度アップを狙ったのかトリマーコンデンサに置き換えられています。
今回の様に問題の有る基板は過去に何かしている物が多いですね。

久しぶりに素のWADIA6です。とは言っても電解コンデンサを交換していますので音はシャキーンとして新鮮さがあります。
エージング2日目「今からでも音質改善出来ますか」との連絡です。
早々に出力用のオペアンプ交換や電源補強の実施をして素のWADIA6のカマボコ音域の両裾野が広がりレベルアップしたWADIA6の完成です。

返却後片chにノイズが乗るとの連絡で再度入院です。3日間の音出しエージングでも不具合が見つけられないのは悩むところです。
D/Aコンバーターから出力に向かって順番に波形を確認すると最終段の高速バッファーのフィードバックでノイズが乗っている波形を確認です。
緑がノイズ波形で赤が正常な波形です。
以前WADIA6 6台目と同じで高速バッファーに不具合が発生しています。この高速バッファーは壊れると出力が大きく成る傾向が有る様ですね。

高速バッファーを交換後波形を確認するとやはり6台目と同じでオペアンプの暗雑音が増えており同様にオペアンプも交換です。
今回のWADIA6はコントロール基板・D/A・アナログ基板共に不具合が生じており、不具合が全体で生じている状態でした。
不具合は共にICがらみで発生しています。ICが壊れる原因は回路電圧が定格を超える・使用中の温度が高温になると言った事が気に成るところです。
6台目も含め不具合を考察すると現状回路電圧は正常なので温度異常によりICの劣化が進み不具合発生につながった物ではないかと考えられます。
あと両号機とも関東方面で過去に内部を触った痕跡が有り製造時期も近いと言ったよく似た感じの個体なので何か不具合要因を持っていたのかもしれませんね。
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YAMAHA CDX-10000 11台目

今回は福岡のM氏よりの依頼でヤマハのCDX-10000です。押釦の反応が悪い以外は特に問題はないそうですが今後の使用に向けてオーバーホール・音質改善の依頼です。

ピックアップは1993年にYAMAHAにて交換したそうで力一杯大きな波形が出てきます。今まではYAMAHAの新品時のデーターが判らなかったのですがPHILIPSのピクアップよりも大きな電圧幅だった様です。
アイパターンの電圧幅はPHILIPS辺りと同じ位かなと思っていたので過去の判断を覆される事に成りました。

トレイのガイドローラーもジュラコン製に交換依頼が有ったので交換しようとしましたがCDドライブユニット全体にヤニ汚れの様な物が付着しており手に汚れが付くので先に清掃から始める事になりました。

清掃・ガイドローラーの交換も行いドライブユニットはこれで完成です。

過去のメンテナンスで半田増し等を行っている様ですが、それでもこの様な半田クラックが有る状態です。

押釦の不具合を言われていたので確認すると1/3位の押釦で接触不良(抵抗値が数Ω以上)と言った状態です。
押釦を分解すると内部の接点が硫化してモアレじまの様に黒ずんでいます、これでは接触不良もしかたがないところです。それにしても不思議な硫化のしかたですね。

オーバーホール・音質改善と作業も完了しこの状態で音出しエージングを始め一晩開けて天板の取り付けを行った後にCDの認識不良の発生です。
表示もいつもと違う状態です、すぐ天板を取り動作を確認するとスピンドルモーターの回転が遅く成っていました、原因を調べようとしましたがこの後不具合症状が出ずこのままでは埒が明かないのでCDの認識を含めたエージングを実施しました。

エージングはCD1枚ごとに電源ON-OFFを行い誤動作が出るか確認しましたが結局再発せず、今回はこのまま使って頂く事にしました。
丁度CDX-10000の2台目が表示が誤動作を起こしその後トレイが動かなくなったとの事で修理した所ですが、不具合としては似たような感じでどうもコントロールマイコンの動作不良に拠る物ではないかと思われます。
CDX-10000自体をコントロールしているマイコンのプログラムに操作のタイミングで発生するバグが存在しているのかも知れませんね。
オーバーホール・音質改善により持ち味の力強さをそのままで、音域レンジの広がった分気持ち良く成っていますね。

今回のCDX-10000は元箱にて来ましたのでお披露目です。
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YAMAHA CDX-10000 2台目
2016年3月13日掲載
3年前にオーバーホールを実施したCDX-10000のトレイの開閉が出来ないとの事で入院です。
調べるとトレイ開閉とCD押え用のモータードライバーが壊れている事が判りモータードライバーのICを海外より取り寄せ交換です。
ICを交換しましたがトレイ開閉・CD押え動作が正常でなく調べるとCD押え機構の2段ギアが破損している事が判りました。
このギアをジュラコンで1個だけ製作して貰うと2万円以上になると思われるので今回はわれている小さいギア部を修理する事にしました。
ピニオンギアと本体のギアを接続するパイプは真鍮棒を使い旋盤加工で製作です。
ピニオンギアは市販品を購入し旋盤加工したパイプにピニオンギアを半田付けで取付け本体の2段ギアにパイプ部を接着剤と共に差込んでギアの完成です。
トレイ開閉・CD押え動作も良好でこれで修理完了です。
2013年12月15日掲載
今回は埼玉のT氏よりの依頼でYAMAHAのCDX-10000の修理です。
トレイの動きがかなり緩慢になっているそうで、昨年の夏にYAMAHAに修理に出しましたが修理されずに戻ってきたとの事です。
久しぶりのCDX-10000ですがやはり重いです・・・。
トレイの動作を確認するためにまずはトレイの制御電圧を確認しました。
トレイの開閉に時分割制御を行うなど懐かしい波形です。
電圧や制御的には特に問題は無い様なので問題は他に有る様です。
気になるモーターのブラシ部分を確認すると思った通りコミュテーターが黒くなっておりここで接触不良が発生していましたので、コミュテーターを清掃する事でトレイの開閉はまずまずの状態に回復です。
トレイの開閉はまずまずですが動きがコトコトしてしまいます。
トレイを支えているガイドローラーが全て加水分解を起こしその修正に布テープを巻いていましたが形状に歪みがでて、これがコトコトの原因になっています。
YAMAHAにガイドローラーを手配しましたが既に販売が無いとの回答です。
ならばとジュラコン製作第2弾です。
今回もWADIA21のギアでお世話になっている加工屋さんに依頼して作って頂き此方も無事解決です。
一番肝心なピックアップですが26年の歳月を感じさせない位問題の無い波形(たぶん)です。
新品の波形を見た事がないので言い切れませんがはっきりとした綺麗な波形が出ています。
ドライブユニットを裏から見たところですが、スピンドルはサーボモーター・スレッドはリニアモーターとフラグシップに相応しい部品で構成されています。
ただピックアップからの配線に細線が使われておりこの辺りに設計の古さを感じますね。
オーバーホールや音質改善にRCA出力用のオペアンプ交換や高精度クロックの取付等を行い作業もほぼ完了です。
音の分離や滑らかさが増し聞きなれたCDから新たに音を発見出来る状態に成っていると思います。
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KRELL REFERENCE 64
2016.3.11掲載
オーバーホールを実施してから約5年再度ノイズが出ているとの事で再入院です。
過去のオーバーホール・メンテナンスで対応後暫くはノイズが収まった様にみえましたがどうも直す事が出来ていなかった様です。
今回は過去に分解出来なかったD/Aコンバーター部を分解する事が出来たのでこの部分のオーバーホールです。
外してみるとタンタルコンデンサーの爆発や微かに見える半田クラックが有りました。3度目の正直ではないですがオーバーホールするならやはり全部確認しなければ意味がない事を知らされました。
元値が高価なだけに分解して壊しては元も子も無くなると思い躊躇してしまった事が大きな敗因ですね。
今回の対応後1ヶ月経った頃「素晴らしく良い音でなっている」との連絡がありホント一安心です。
次のReference 64にはこの経験が生かせますね。
2011.12.7掲載
今回は神戸のK氏よりの依頼でKRELLのD/AコンバーターのREFERENCE 64です。
発売当時285万円位のハイエンド機です。
右chよりのノイズ発生の修理とオーバーホールの実施で此方にきました。
D/Aコンバーターだけですが重さはちょっとしたアンプ位の重さがあります。
ノイズについては2日間連続で確認しましたが異常を確認できなかったので一旦置いて作業を進める事にしました。
中は一面ゲートアレーやディスクリート部品で埋め尽くされています。
中央に見える青いケースがD/A変換のICが入っている基板があります。
その右がディスクリートで構成された出力回路です。
中は綺麗な状態でノイズの不具合が出そうな感じの所はなさそうです。
青いケースを外してみましたがこれ以上は分解できないのでD/AのICに何を使用しているかは判りませんでした。
ディスクリートの出力回路の先には当時の高性能のオペアンプが使用されていました。
現在も発売されているOPA627の元になったバイポーラ版ですね。
今回はこのオペアンプを新しい物に変更して音域レンジの拡大と音の分離を良くします。
電源部分の内部です。3個の大きいトロイダルトランスが眼に付きます。
お互いの干渉を避ける為でしょうか?
アナログ回路・D/A回路・デジタル回路用の3個のトランスとなっています。
たぶん重さの大半はこのトランスです。
電解コンデンサの交換やオペアンプの交換等も終わり早速音出しです。
音域レンジも広く音の分離・スピード感、何も言う事が無いほどスッと耳に音が入ってきます。
すごいの一言ですね。
2015.02.19ノイズ対応
以前のメンテナンスから3年経過して左chからノイズ発生との事で再入院です。
症状からは接触不良が起こっている様な感じです。
まずはソケット周りの接触を確実にする為にDSP・ROM・PAL等をソケットより外して清掃・導電性グリスの塗布を行いましたがここは原因では無さそうです。
アナログ出力基板を良く確認すると全体に万遍なく半田クラックの発生が有る事が判りました。
両面基板は半田クラックが起こり難いと言った思いこみで前回のメンテナンス時に半田クラックを見落としていた様です。
今回はアナログ出力基板の半田増しでノイズの対応は出来たと思われましたが、デジタル入力基板・電源基板に対しても半田増しを実施しました。
1つ前のP-2s・D-3も両面基板に半田クラックが有りましたので、両面基板(多層基板も)で有っても半田クラックを良く確認しなければいけないなと改めて認識する事となりました。
WADIA WT-2000

今回は以前WADIA21 15台目のオーバーホールをされた東京のY氏からの依頼でWADIA WT-2000のオーバーホールです。たまにトレイの開閉が出来ない事が有るくらいとの事です。

まずはピックアップの状態の確認です。電圧幅が音飛びする所までの低下ではありませんが少し心もとない状態なのでレーザー電流調整にて電圧幅の復活です。
内部はと言うとまんまWADIA7です、同じ機器が外観の意匠違いで2つの商品名をもっていたんですね。

コントロール基板を外すと 何とパターンが焼損しています。焼損しているのはGNDパターンです。本来であれば動かなく成っていたはずですが基板間のコネクタでGNDの回り込みが有った様でそのままにされていた物と思われます。
この焼け方はこのGNDパターンに5V・12Vの電源が直接接触した物と思われるので過去のメンテナンス時に焼いたと思われます。
これだけ焼けたらかなりの匂いが出たと思うのですが・・・

この機種にお決まりの半田クラックです。両面基板ですがそれでもこう言った状態に成ります。発熱が大きいのでしょうね。

作業を進めて行くと又してもこれは無いだろうと言った事を発見です。リフトのリミットSWの止めネジが締まっておらずグラグラの状態です。
これだとリフトの昇降動作が出来ない可能性が有るので、トレイが開閉出来ない不具合が発生します。
写真だけみるとネジはすぐ締めれるとおもわれますがそうは行きません。
このネジを締めるにはVRDS機構自体を本体からを外してしまわないと締めれないのでほぼ全バラにしないと締める事が出来ないネジです。

呆れる第3段はピックアップのロックです。Y氏からピックアップのロックをするにはどのような工具が必要かとの問い合わせに「エー・・・」ロック用の樹脂がすっかりないので周知の事実かと思っていましたがどうもこれも壊したか何かで取り除いている様です。
他にもネジを馬鹿にしていたりネジがなかったりとこのWADIAはスキルの無い方のメンテナンスを受けた様です。

何やかやと有りましたが何とか本来の状態に復帰です。
オーバーホールに出して驚く事が色々有ったと思いますがこれで当分問題は出ないと思います。
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WADIA WADIA850 7台目

今回は青森のK氏よりの依頼でWADIA850のオーバーホールです。
個体は非常に綺麗で大事に扱われてきたことが判りますね。
昨年の9月にCDの読込みが出来なくなったそうで、代理店に修理受付が終了機種との事で受け付けてもらえず此方に来ています。
ノアさんがWADIAの修理受付をかなり最近の機種まで切ったので今後は850・860辺りも依頼が増えそうですね。

CDの読込み不良の原因は予想通りスレッドギアの歯こぼれによるものでした。WADIA21のオーバーホールではほぼ全数駄目になっていましたのでWADIA850も当然の結果ですね。
アフターパーツのギアでも材質の良い物があり、この良い材質のギアが安く入手出来れば修理費も押える事が出来ると思うのですが入手ルートが判らないですね。

過去にメンテナンスした跡があり、一部半田増しを実施していましたがそれでもこのように半田クラックが見られます。
これを見ると半田増しは無条件で全部に実施しなければいけないと思いますね。

アナログ回路用ブロックコンデンサの頭部の膨らみです。WADIAの半数以上がこの様な状態になっています。
20年も経てば仕方がないと言えばそうですが・・・

今回はオーバーホールだけでしたがそれでも本来のWADIA850の持ち味が発揮されますのでなかなか良い音ですね。
音質改善・LTDにも興味が有るとの事なので機会があれば実施して頂きたいものです。
WADIA WADIA6 11台目 アルミ円盤化
2016年3月1日掲載
音飛びが出るとの事でWADIA6 11台目の鳥取のG氏から依頼で再入院です。
音飛び以外にもアルミ円盤化・音質改善も実施です。
早速ピックアップの状態を確認しましたが4年前とほぼ変わらず良好な波形が出てきました。3時間位連続で読み取りの悪いCDRを再生させましたが音飛びは発生せず、問題が無さそうな様子です。
この後VRDS機構の載せ替え時にピックアップのスレッド動作に少し重さを感じたのでもしかしたらスレッドの動作不良で音飛びが出ていたかも知れません。
今回VRDS機構を載せ替えるので此処が原因であれば音飛びに対応できると思います。
VRDS機構を載せ替え後トレイの開閉が遅く閉時にもたつきを感じたのでトレイのギアを確認すると2段ギアに小さいギアにささくれが発生していました。
WADIA21同様此方のギアも樹脂の素材が軟弱で使用が激しいとこのギアがこの様な状態になります。
アルミ円盤化・音質改善とほぼ作業も完了です。
到着時すでに押しの強い音がでておりかなりエージングが進んでいる事を感じましたが今回のアルミ円盤化と音質改善で繊細さが加わりワンランクアップした音に成ったと思います。
2012年2月25日掲載
今回は鳥取のG氏よりの依頼で久しぶりのWADIA6の修理です。
このWADIA6は音飛びやCD認識が出来ないとの事で此方にきました。
現状確認すると確かに最初はCD認識して再生するのですが時間がたつと音飛びが激しくなりCD認識もしなくなります。
アイパターンを測定すると電圧幅が0.9Vとなっており、ピックアップの劣化が見られたので,まずピックアップを交換しました。
ここで音飛びの修理完了と成る予定でしたが、今回はそうは行きません。
どうも他にも問題が発生している様です。
コントロール基板をみるとスピンドルモーター用のトランジスタ部分がかなり熱を上げた形跡があったのでトランジスタの交換をしましたが問題はここではないようです。
次はトランジスタが熱を上げている位なのでスピンドルモーター劣化による回転制御不良も考えられるのでモーターを交換です。
しかし問題はここでもないようです。
簡単にできる所から対処してきましたがどうにも症状が改善する様子がないのでコントロール基板を交換することにしました。
ストックしてあった基板をWADIA6用に部品変更を行い基板の取り換えです。
で、ここでやっと音飛びが収まりました。
不具合箇所を特定するには時間が余分に掛かるのでこれ以上調査は行いませんが、基板上の部品に問題が出ていた様ですね。
あとはお決まりのオーバーホールの電解コンデンサの交換や半田増しを実施し無事作業は完了です。
今回は音飛び修理にかなり費用が掛かりましたがこれでまたリフレッシュされたWADIA6の熱い音が復活出来たと思います。