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山手サービス

Author:山手サービス
本業の制御の仕事があまりに暇なので趣味のオーディオのメンテナンスを始めたところ、自分の過去の仕事内容とメンテナンスがかなりの範囲で一致しており、気がつくと本業よりこちらのウエイトが大きくなっているこの頃です。
制御はアナログ・デジタル・マイコン回路設計、アッセンブラ・C言語・CADソフト、民生器機のマイコンボード設計・ソフト作成を経験して現在は制御盤設計製作を個人で行っています。
オーディオのメンテ修理ではCDPが一番気が入ります。何でって・・そりゃ音の変化が顕著に現れるのが嬉しくて。
ご依頼については

の主旨にご賛同いただいたうえでお願いいたします。

(ゆとり)OR(余力)

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今回は神奈川のA氏の依頼で久々のWADIA6の修理・オーバーホールです。
20年前に新品購入その後読み込み不良の修理・その数年後に音飛び発生するが対応期間終了との事で修理できず現在に至ったそうです。
外観には目立つ傷も無く大事に扱われていた事がわかります。

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トレイが開かないので中を確認するとトレイベルト・リフトベルト共に加水分解して伸びきっていましたので汎用ベルトに交換です。


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ベルト交換にてCDの認識が出来る様に成ったので早速ピックアップの確認を実施です。
残念な事にアイパターンの電圧幅が無く電流調整代もないので交換する事になりました。

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表示窓は完全に脱落していましたので元の接着剤を取り除き再接着を行いました。WADIA6の表示窓はほぼ全滅ですね。

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何時もの様に電解コンデンサの交換と半田増しを実施して作業はほぼ完了です。

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ピックアップの状態は良いのにCDの認識が不安定な感じなので調べて行くとVRDS円盤に振れが見つかりました。
モーターのシャフトの曲りかと思いスピンドルモーターを新品に交換しましたが振れが治らず、結局VRDS円盤部のアッシー(写真右)にて交換をする事になりました。
どうもVRDSプラ円盤の加工不良の様です。早めに判っておればクレーム物ですね。

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VRDS円盤の振れは止まりCDの認識は安定しましたが、リフトアップ後すぐにリフトが下がりトレイが開くと言った妙な動作が発生するので再調査です。
CDの動作を良く確認しているとリフト機構の動作に引っ掛かる様な動きが見えたので此方もリフトアッシーごと交換です。

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不具合の内容からこのWADIA6は買い当たりで言えば悪い方だったと思われます。
それでもオーバーホール・VRDS円盤の振れ対処とこれで本来のWADIA6の音を出してくれると思います。

 
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今回は以前WADIA21の修理・オーバーホールをされた東京のA氏よりの依頼でマークレビンソンのD/AコンバーターNo.30.6Lの修理とオーバーホールです。
プリアンプ側にてミュートを行うとパワーアンプの保護回路が働くと言った症状が出るそうで、他のD/Aコンバーターでは不具合の発生は無くこのNo.30.6Lの時のみこの症状になるのでNo.30.6Lに不具合が発生している様です。
2年前に起動不良にてハーマンにて全電解コンデンサを交換する修理を行いましたが片ch音が出ない状態で帰ってきた事が有り、できればハーマンでは修理したくないとの事でした。
丁度福島での仕事が有ったので仕事帰りにA氏宅に寄り症状の確認をおこないました。
A氏のメインの機器構成はプリアンプNo.32LパワーアンプはジェフローランドのModel9スピーカーはJBLのK2 S9500とハイエンド機器の集まりです。
確認を始めると意外に早く原因らしき状態を確認出来ましたので一安心と言った所です。
余裕となった時間でA宅氏にてWADIA6LTDでの試聴会その後A氏のお勧めのお店でWADIA6LTDのI氏と3人でお酒を飲みながら楽しい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。

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東京での確認でバランス出力のHOT側に導通が無かったので内部で断線発生とふんでいましたが、どうも回路上に何か不具合が発生しているようです。
回路図がないのでは不具合の判断ができないので最初の作業は回路図の作成です。
調査の結果出力トランジスタへ電源供給しているトランジスタに不具合が見つかりましたので、早速トランジスタの販売を探しました。
同じ型式のトランジスタの販売は有りましたがメーカーの違うトランジスタだと仕様も違っており不良の箇所のみの交換とは行きません。仕様が違う海外製のトランジスタを使う位なら信頼性の高い日本の定番のトランジスタにて代用です。
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アナログ出力回路部分の拡大です。診れる人が見れば判ると思いますがアナログ出力回路にニッケミのKMGの使用です。
デジタル回路であれば妥当ですがアナログ回路には頂けない選択ですね。電解コンデンサは2年前に交換していますがA氏に了解を得て音響用の電解コンデンサに交換です。

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不具合で交換したトランジスタや音響用の電解コンデンサの交換を両chに施し本体側の修理は完了です。

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電源ユニットもアナログ回路用の電解コンデンサを音響用のコンデンサに交換です。
整然と部品が並んでおり本体側に比べ整備性は非常にいいですね。
デジタル電源が意外に小さくまとまっているので内部を確認するとスイッチング電源が出てきました。フラグシップなのにコストダウンでしょうか・・・

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アナログ電源基板の裏側です。出力に近い処の基板に変色が見えます。変色している処には制限抵抗?が有りこの抵抗がかなり熱く成るものと思われます。
電源ユニットの上下にはスリットが有りますが、放熱の為には設置スペースはゆとりを持つ必要があると思います。

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修理・オーバーホールも完了し後はエージングです。
音はWADIA9と同様に静かで尚且つ情報量が多く流石はフラグシップ機と思わせてくれます。WADIA9は押しが有りますが、No.30.6Lはしなやかさが有りますね。聴く人の好みで分かれる処でしょうね。



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今回は神奈川のT氏よりの依頼でBARCOのEMT981です。
今年の4月の受付時頃に問い合わせで再生が出来なくなる事があるとの連絡が有りましたが、不具合が確実に出ない状況では不具合検証に時間を取られてしまう可能性が高かったので確実に不具合が出る様に成ってからの受付とさせて頂いていた所、やっと頻繁に不具合が出る様になったので修理オーバーホールを実施です。

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早速中をみるとこれでもかと言った改造が各所に施されています。
T氏に改造内容を尋ねた所、改造はT氏に拠る物ではなく購入時には既にこの状態になっていたそうです。
これを見た時にはこれは迂闊に触ると動かなくなる可能性が高いと思わされました。さわらぬ神に祟りなしですね。
取りあえずトレイベルトがなかったので汎用ベルトを付けましたがまともに動作しない状況です。

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ピックアップはアイパターンの電圧幅も問題なく良好な状態です。
電源トランスが外付けと成っており内部で必要な電源DCは全て改造されています。
各電圧を順次調べると基本の制御電圧の+5Vが+4.7V位しかなくこの電圧が4.6V辺りになるとCDの再生に問題が発生してしまいます。
どうも改造された電源に問題がありそうで此処を直さない限りどうにもならないと思われます。

ただ変更されている箇所が多いのと素人配線で半田の状態も良くないので触っているうちに動かなくなる可能性が非常に高く、現状のままでの修理は出来ない事を伝え一旦は修理をお断りをしました。

修理をお断りした後で、T氏が電源を修理出来る処をさがして元に戻したらオーバーホールをお願いできるかとの連絡です。
素人に近いやっつけ仕事の物を修理して貰える処が有るだろうかと考えると、まずどこも引き受けてくれないだろうと思われるし、乗り掛かった舟なので電源を元の状態に近付ける事を条件にして此方で対応させて頂く事にしました。

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AC電源のインレット部分が煤けていたので分解すると何かがショートした痕が見つかりました。
原因は判りませんがどうも電源トランスをショートさせてトランスを外付けにしたようです。どちらにしても煤が残った状態は電気的には問題があるので清掃です。

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変更されていた電源周りを全て取り払い後付のトランスにて出来る範囲元の状態に近づけました。
電源周りはトランスの容量と電圧の違いが大きく元の電源回路では回路で必要な電圧が作れず新たに3端子レギュレーターを追加する等して対応しています。
元の整流のダイオードは全て無くなっていたので新たに音響用の物をチョイスです。

031_20141204215159d66.jpg CDドライブユニットのサスペンション部のダンパー目的のスポンジが劣化でなくなっています。音質に影響の有る処なので新たにスポンジの入れ直しです。

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押釦スイッチの接点は見事に硫化して黒ずんでいます。分解できる構造としているのは良い事ですね。

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スピーカーはバッファーアンプやスピーカーが無いので復活は出来ませんがヘッドフォンは使用できそうなので無くなっていた配線の造り直しにて復活です。


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修理・オーバーホール・音質改善と作業も終わりあとは音出しエージングを残すだけと成りました。
残念な事にエージング半日で再生が止まる不具合発生です。
今回気になっていた+5V電源の修理後の電圧がブリッジ整流後が8Vぎりぎりなので3端子レギュレーター後で+4.85Vとなんとかなる範囲の電圧でした。
商用電源がAC100V有れば問題無く動作するはずでしたが電源事情の良い当方の地域でもやはり100Vを下回る事が発生してしま不具合の発生です。
このEMT981は神奈川での使用なので当然使用条件が此方以上に悪いと想像されますので、T氏に依頼してステップアップトランスを準備して貰いました。
後付けのトランスの2次電圧があと2V位高ければ問題が無かったと思われますが仕方がないですね。

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色々と有りましたが、オーバーホール・音質改善によりEMT981が本来持っている性能を引き出せた様でなかなか良い音を聴かせてくれる様になりました。
古いCDプレーヤーなので電源周りの性能を上げて音を良くしようと思っての改造と思われますが、やはり電解コンデンサや半田増し等のオーバーホールを先に実施しその音をきいてから改造をするべきだと思います。
古いCDプレーヤーでもちゃんとオーバーホールをするとそこそこの音に成りますし当時のフラグシップ辺りであれば現行の機種より聴きごたえのある音が出る事間違いなしです。
とにかく基本を大切にして欲しいと思います。




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