MCINTOSH MCD7009
今回は以前KRELL KPS-28cの修理をされた東京のY氏よりの依頼でマッキントッシュのMCD7009の修理依頼です。
不具合内容はトレイの動作が出来なくなったとの事です。
外観は大切に使用されていたようで非常にきれい状態です。
それでも発売されて既に10年以上が経っていますので今回はオーバーホールも実施です。
ガラスのフロントパネルはマッキンのお得意の意匠ですね。
早速中をみると内部の構成はVRDSです。
TEACの営業が良かったのか、この頃のVRDSは結構色々な海外メーカーの高級機で使用されています。
今回の不具合原因はこの伸びたリフトベルトです。
ここのベルトを交換するにはほぼ全バラにしないと交換が出来ない構造になっており意外と手間が掛かります。
D/Aアナログ基板の電解コンデンサの被覆が縮んでいます。
かなりの温度上昇があった様に思われます。
メーカーに拠っては結構手こずる物もありますが、TEACの基板は半田自体の質が良いのか半田増しが綺麗に仕上がりますね。
真っ黒になっているバランス出力のコネクタピンです。
他のメーカーでもこのコネクタのメッキは良く銀メッキがされている様なのですが、どうしてなのでしょうか。
前面とは打って変わって後ろ姿は非常にシンプルです。
音は柔らかく心地の良い音を出してくれますね。
LUXMAN CL-36 ULTIMATE
今回は愛媛のK氏よりの依頼でLUXMANのプリアンプCL-36 ULTIMATEのオーバーホールです。
LUXMANの設計者である上原氏のCL-36へのこだわりを込めて作られたアンプで限定200台だったようです。
外観は高級品だと言わんばかりにピカピカです。
触ると指紋が付いて気になってしまいます。
早速中を拝見すると物の見事に埃だらけです。
幸い錆びは出ていない様なので湿度の低い所での使用だったようですね。
トーンの切り替えSWは見事に錆びて黒ずんでいました。
切り替えでノイズが出ても当前の状態です。
セレクトSWも同様に錆で真っ黒です。
今回の接点は全て真っ黒になっていましたので使用環境に何か銀を強く酸化させる問題が有ったと思われます。
高圧ブロックコンデンサは頭が膨らんでいましたので全て交換です。
作りはCL-36と全く同じで整備性は非常に悪い作りとなっています。
コスト的に制約がある事はわかりますが、アマチュアが作るような配線をそのまま製品とするのは如何なものでしょうか。
電解コンデンサの交換やSW類の清掃するにはほぼ全バラ状態にして、部品がぶら下がった状態での実施となりました。
ケースは後ろから見ても丁寧に作られている様に見えますが、ひっくり返してみるとなんと底板は釘で打ち付けてあります・・・何か残念ですね。
音は透き通った綺麗な音で良いですね。
しかしベースと成ったCL-36とどう違っているかは実際に横に置いて聴き比べてみなければ判らないですね。
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conrad johnson DF-1
今回は以前harman kardon hk825・hk870をオーバーホールした神奈川(前回は東京)のI氏よりの依頼でコンラッド・ジョンソンのCDプレーヤーDF-1の修理です。
一昨年にもCDの認識が悪いとの事で修理に来ており、この時の調査でCDドライブユニットの不具合である事がわかりました。
この時はCDドライブユニットの入手が出来ず各部調整にてそのまま使用して頂いていましたが調子が悪くなりリベンジの修理となりました。
基本の構成部品はフィリップスですがアナログ関係をコンラッド・ジョンソンにて新規作成し全く別物のプレーヤーとなっています。
左がDF-1のCDM-2で右が今回入手したCDM-2です。
同じ様に見えますが、写真でも判るようにCD押さえのフレームに粘土の様な物が付けられています。
以前修理したソノグラフのSD-1も同じところに同様の物が付いていたのを思い出しました。
振動防止でしょうか?
何か効果があるのでしょうね。
2つのCDドライブの決定的な違いはピックアップの違いです。
DF-1のピックアップはCDM-1 MKⅡ辺りで使用されているピックアップです。
今回入手したCDドライブのピックアップはCDM-1の一般的な物と同じです。
DF-1に付いているこのピックアップは高級機によく使用されているタイプなのでできればこのまま使用したい所です。
調査・確認をするとCDドライブユニットの裏側のRF基板の交換で修理出来る事が判明したのでピックアップはそのまま使用できそうです。
不具合の解決が出来たので電解コンデンサ交換や半田増しを行おうとしましたが、基板どうしの配線が半田付にてされており、全バラにしないと作業が出来ない構造になっていました。
中央に見えるのはアナログ基板でアナログ出力回路はCANタイプのトランジスタを使ったディスクリート構成です。
写真にある基板はDAコンバーター用の基板でDAコンバーターで使用するコンデンサにはオレンジ・ドロップが惜しげもなく使用されています。
後ろ姿は非常にシンプルですね。
音は14bitとは思えないほど繊細でかつ厚みのある音をだしてくれます。
流石ですね。