PRIMARE 301L
今回はWADIA21の9台目のオーナーの福岡のM氏よりの依頼でプライマー社のアンプ301Lです。
WADIA21と同時に送られて来ていましたが修理部品の入手の都合でかなり遅れての修理となってしまいした。
症状は音が出なくなる事が有るそうで修理とオーバーホールの依頼です。
プライマー社は工業デザイナーのボー・クリステンセン氏が設立した会社でこの301Lのデザインも日本の物とは違って斬新ですね。
早速中を見ると綺麗に左右対称に作られた基板と大きな2個のトランスが目に入ります。
持った時に前後の重量バランスの悪いアンプだなと思った通り手前には重量級のトランスが配置されていました。
音が出ないとの事なので入力から信号回路を追いかけるとボリュームへ入る前のリレーでの接触不良が出ている事が判りました。
この301Lのオーディオ信号はプリからパワーまで全てバランスで構成されておりました。
信号伝達の向上の為と思われますが贅沢な作りですね。
入力のセレクトSWを分解してみると金メッキ接点が使用されており全く問題の無い状態でした。
過去に見たSWの中でも1・2を争う位上等な接点が使用されている様ですがこの接点にはオーディオ信号の通過は有りません。
この接点で入力数分のリレーを動作させて信号を切り替えて入力のセレクトを行っています。
リレーの接点よりも此方の接点の方が良いのには驚きです。
出力リレーも確認しましたが此方の接点も良い状態で、問題なさそうです。
取り外した電解コンデンサですが同じ基板上に載っていたとは思え無い位色の違いがでています。
ススでしょうか?
電源用のブロックコンデンサも頭が膨らんでいたのでアンプ内の温度が高かった物と思われます。
修理とオーバーホールが終わり連続音出しエージングを始めた所、一番使われる辺りでのボリューム位置にガリの発生です。
このアンプはバランスでの信号形態なので当然ボリュームも4連の物が使用されていました。
2連のボリュームならいくらでも見つかるのですが、4連で同じ抵抗値の物が見つかりません。
結局2連の物を購入して4連に改造して使用しましたが純正の様にはバランスが合わず、自分としては少し残念な修理となってしまいました。
音は癖のないクリアな音が出てきますのでジャンルを問わず使用できそうな感じですね。
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WADIA WADIA6 5台目改造
今回は以前修理オーバーホールを行った香川のS氏からの依頼でWADIA6のVRDS機構の載せ替えです。
CDを認識しなくなったとの連絡で調査を行ったところ、CDを認識しない時はスピンドルモーターが回らず高周波音を発生している状態になっていました。
以前の修理でスピンドルモーターをブラシ部分だけを新品交換して修理しましたがやはり新品のモーターに丸ごとで交換しないといけなかった様です。
で,この際なので読み取り精度向上と耐久性の向上の為にVRDS機構をWADIA16やWADIA860と同じアルミ円盤の物に交換です。
大きな違いは交換によってモーターはブラシモーターからブラシレスモーターとなる事ですね。
これでVRDS機構の載せ替えは4台目となり手順もほぼ確立してきたので、作業も順調に進みVRDSの載せ替えもすんなりとトラブル無く完了です。
やはり見た目はこのアルミ円盤のVRDS機構は機能美というか存在感が有って良いですね。
アイパターンの電圧幅も若干ですが大きくなるのでデーター的にも読み取りが良くなっていると思われます。
交換後の音の感じは静けさが増す方向に変化するので繊細な音の表現が良く成った様に感じます。
アルミ円盤のVRDSをみてしまうと元のプラスチック円盤のVRDSは薄っぺらくて何か物足りなさを感じてしまうのは私だけでしょうか。
Mark Levinson No.35L
今回は愛媛のK氏よりの依頼でMark LevinsonのデジタルプロセッサーNo.35Lの修理です。
左chにノイズが出るとの事で此方にきました。
D/Aコンバーターの機能だけですが通常のアンプ並みの大きさと重さがあります。
外観はとても綺麗で年式を感じさせません。
早速中を確認です。
中央にはアンプ並みのトランスが2個あり、左右のD/Aアナログ基板はアルミ板で全体を遮蔽されています。
両サイドのD/Aアナログ基板への信号もパルストランスを使って入力系のデジタルとアイソレーションされています。
全体にススみたいな物が付着していたのでたぶん、使用していた環境が悪く内部の温度がかなり上がったのではないかと思われます。
アナログ出力を確認すると左chの出力波形にクリップする所がみられたのでこれがノイズ音の元と思われます。
D/AコンバーターへのDATA入力波形を確認すると左右の信号に違いが見えます。
再生したCDはモノラルなので同じ波形がでるはずですが。
どうもデジタル信号系に何か問題がでているようなので関係するICの手配をしておきました。
取り外した左chのD/Aアナログ基板です。
左右兼用の作りでRCA・XLRコネクタを移動すると右chに使用できるパターンになっています。
D/AコンバーターはD/Aアナログ基板の裏に実装されています。
マドリガル社とウルトラアナログ社のコラボと記載があります共同作成?でしょうか、大きいですね。このD/Aコンバーターと同じ大きさのヒートシンクがすぐ下に取り付けられており発熱の大きさが伺えます。
D/Aコンバーターへの信号に違いが有るようなのでデジタルオーディオインターフェースのICとデジタルフィルターのICを交換してみました。
はっきりと判るノイズは無くなりましたが、連続で再生するとまだある音域で音のひずみが有るようです。
さらに調べて行くとD/Aコンバーターに問題がある事がわかりRCA出力のみの使用に限定で修理をさせて頂きました。
完全な修理とはなりませんでしたが、音は素晴らしいですね。空間の広さや音の余韻は流石です。見合うシステムで聞けばさぞかし良い音が出るのでしょうね。
WADIA WADIA21 9台目
今回は福岡のM氏の依頼でWADIA21の修理です。
諸事情で6年間しまっておいたWADIA21を動作させたところトレイが開かなくなっていたそうです。
ウイークポイントのギアが破損していると思われますので早速分解です。
この個体もかなり程度が良く筐体のエッジで手が切れそうな位です。
大切に扱われていますね。
予想通りギアが破損していましたのでジュラコンのギアに交換です。
今後の為に一緒にスレッドギアも交換です。
ピックアップの状態を確認するとこちらもアイパターンの電圧幅が8.5Vともう少ししたら音飛びが出始める状態だったので交換です。
上が外したピックアップで下がこれから取り付けるピックアップです。
このピックアップはまだ新品を入手できるので安心出来ますね。
半田増し・電解コンデンサ交換の為にコントロール基板とドライブユニットを外した状態です。
WADIA6も同じですがこのWADIA21も外部からのゴミが入りにくい構造なので中は綺麗です。
このあとオーバーホールを実施して作業は終了です。
WADIA21はWADIA6の様な中音域の濃さは薄くなっていますが、安心して聞く事ができる音ですね。
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