STUDER A725 2台目
今回は福島県のA氏所有のスチューダA725がオーバーホールで此方にきました。
A氏は去年このA725を購入されたそうです。
特に問題は無いそうですが今後も長く使う為に修理を思い立ったようです。
ぱっと見には大きな傷も無く綺麗な外観です。
早速中を拝見と天板を外すと内部は蛍光灯等で見られるスス状の汚れが全体についていました。
有色メッキをされたフレームにも錆びが発生しています。
外観とは裏腹にあまり条件の良くない環境で使用されていたようですね。
この後フレームは錆び落としとワックス掛けを行い、基板は出来るだけ汚れを落としました。
何につけても綺麗が一番です。
いつも見るコンデンサですがほぼ全数のコンデンサの頭がいびつに凹凸の状態になっています。
どうしたんでしょうか。
CDドライブを外すとフレームとCDドライブとの間に表示器の配線が挟まれて潰れていました。
このまま使っていたらショートしていたと思います。
オーバーホールは蟲の知らせだったのでしょうか。
問題が出る前で良かったですね。
写真では綺麗に見える基板ですが円筒の青いコンデンサの下に見えるスス状の汚れが有るのが分かると思いますが、来た時の基板は全体的にこのスス状の汚れが付いていました。
久々にA725の音を聞きましたがバランス出力のスピード・切れ・押し出し現在でも通用する実力がありますね。
今回は音質改善でオペアンプ等の交換を行いましたので更にレベルアップした音を楽しんで頂けると思います。
STUDER A725
スイスのスチューダ・ルボックス社の業務用CDプレーヤーのA725で、
当時フィリプスの定番のピックアップCDM-1とDAコンバーターTDA1540を使っていました。
以前修理したルボックスB226と同じ様な外観ですが操作ボタンの配置が若干ちがいます。
このプレーヤーは音が出なくなったとの事で此方にきました。
早速調査の為に天板を外します。
天板はネジ4本で天板とリアパネルが一体で外れます。
眼に飛び込んでくるのは1980年台のラック式コンピューターの様に機能別に作られた基板をマザーボードにコネクタで接続といった構成です。
メンテナンス性はかなり良いと思います。
また、中央には堅牢な作りのCDドライブが見えます。
A725はCDM-1とトレイが一体で本体より開閉する機構になっています。
動作確認したところCDの認識・再生は問題がなさそうです。
どうもアナログ回路側に問題が起こっているようです。
RCA出力から信号を遡るとD/A変換の信号が出ていません。
D/A変換をよく調べると-17V電源ピンに電圧がきていません。
さらに-17V電源を遡ると電源基板の電源回路が電圧出力していないのが分かりました。
定電圧レギュレーターが不良だったので手持ちの3端子レギュレーターで回路を作成しなおして、修理OKとなりました。
この後電解コンデンサ交換と半田増しを行いました。
音はアナログ的な音で中低域の厚みと余韻、現在でも充分通用する能力を持っています。
出力段につかっているオペアンプの変更をすれば最近のハイファイ的な音楽も難なくこなしてしまう実力があり、この音を聴けばいまだに人気があるのが理解できるプレーヤーだと思いました。