KRELL CD-1
今回は静岡のS氏の依頼でクレルのCD-1の修理・オーバーホールです。
読み取りが出来ないとの事なので早速現状確認をすると確かにCDの認識が出来ません。
アイパターンを確認すると一瞬ですが状態の良さそうな波形が出てすぐ消えてしまいます。
どうもRF・サーボ回路に問題が出ている様に見えるので手持ちのRF・サーボ基板と載せ替え等を行いましたが、不具合原因は電源電圧がUSA仕様のAC115Vであった為に正常動作が出来なかっただけでした。
最初にリアパネルの電源電圧を確認しておけば無駄な作業をしなくて済んだのですが、こういった基本的な仕様はなかなか気が付かない物ですね。
電源をスライダックで115Vに昇圧して波形を確認すると、既に20年経っているにも関わらずアイパターンの電圧幅は1.54Vと全く問題ないと思える波形が出てきました。
内部は一度修理されたのかRCA出力回路周りの電解コンデンサがニチコンの一般の物に換えられていました。
電源回りの電解コンデンサは熱が上がったのかコンデンサの外皮が熱で縮んだり頭部が膨らんでいたりと交換を要する状態です。
RCA出力回路はクレルお得意のディスクリートで構成されています。
D/Aコンバーター出口のオペアンプとフィードバックに使用しているオペアンプの性能が現状としてはあまり良くないので、この辺りを含めて音質改善も実施です。
基板の構成がコントロール基板・表示基板・操作基板の3枚で構成されており、作業は全バラ状態で実施しましたが、オーバーホールや音質改善もほぼ完了し、完成一歩手前です。
元々情報量が多いのでオペアンプの交換による音域の拡大でさらに魅力ある音になったのではと思います。