ESOTERIC D-3 3台目

今回は神奈川のT氏よりの依頼でESOTERICのDAコンバーターのD-3です。
掲載して初めて気が着くピンボケ写真です。
左chからのノイズ発生と温度上昇・情報量の低下か?と言った状態なので修理・オーバーホール・音質改善の依頼です。

ノイズとの事なのでまずはD/Aアナログ基板の状態を確認すると酷くはないですが半田クラックがあります。取りあえず半田増しを実施しましたが、此れが原因ではなさそうです。
出力用のアナログ回路には高性能のオペアンプが使用されておりこれらが発振しているのかと交換してみましたが此れでもないようです。
出力にカップリングコンデンサが付いていましたがこれも違いました。

単純な処の不具合発生と思っていましたがさらに調べて行くと原因はD/Aコンバーターの不良ですでした。過去にも不具合は有りましたが数は少なくこれで4件目です。
D/Aコンバーターが片chに4個付いておりその内の1個が動いていないのに通常の試聴では気が着かず、「大丈夫か自分の耳」ですね。

今回ノイズ調査でOSコンデンサを外したので容量チェックを行ったところ100μのコンデンサが22μ位しか無くちょっと驚きです。
OSコンデンサの寿命についてはメーカーの謳う電解コンデンサの4倍を信じていましたのでこれまでのオーバーホール時にも交換対象外としていましたが、今回の測定結果より信じる事ができなくなりました。
100μのOSコンデンサを10個測定して22μ・31μ・88μ・92μと4個も容量が抜けていました。
今後はOSコンデンサもオーバーホール時の交換対象です。

D-3はアナログ出力回路に性能の高いオペアンプを使用しているので、オペアンプ交換での音質改善効果が得られるか判らなかったので実施に踏み切れていなかったのですが。今回ノイズ調査でオペアンプを外したのでこれ幸いにICソケットを実装しておいたのでオペアンプによる音質を聴いて良いと思われるオペアンプに交換です。

色々と有りましたが予定の作業も完了し音出しエージングです。
音質改善の効果もありベールを1枚脱いだ様に音にクリアさが出ています。これでD-3の音質改善も決まりですね。